モーターグライダー技能証明の受験記


”40の手習い”って感覚で、動力滑空機(モーターグライダー)の技能証明取得を思い立ちました。思い立ったが吉日!!ってことで、4〜5年計画ですが、取得までの日記を記します。


Introduction
モグラと初対面、クラブ入会を決意 2000/10/08

 そもそもこの資格(正式には技能証明)を取ろうと思ったきっかけは、一冊の本でした。この本のことは、そのうちここで記すつもりですが、そこで紹介されていたクラブを休日ということでいそいそと見学に行って参りました。実は、この日がモーターグライダーの実物なるものを初めて見た日でした。見学に訪れたクラブに来ているメンバーの方々も、とても気さくな雰囲気で和気藹々としていて、ほとんどこの日の見学でクラブの入会を決意した次第です。
 でも、航空機の操縦については、自動車の教習と違って、そもそも練習を出来るようになるまでに色々と面倒事があります。身体検査を受け(これも航空身体検査指定機関でなければNG)、「航空機操縦練習許可書」なるものを申請し、発行されてから初めて練習が出来るようになるとの規則。
 まあ、何かあったときの周囲に及ぼすマイナスの影響(簡単に言うとドジって墜落したときに他人に及ぼす被害)を考えるとこんなもんか、と思ったりします。
 例に漏れず、こういった小型機の飛行場は市街地から離れたところにあり、交通の便は最悪に近い状態です。特に、仕事の都合で都心に住み、自動車や二輪等のアシを持っていない自分にとってはまったく不便に感じます。まあ、文句を言ってもしょうがないので”アシ”は別途考えることとしましょう。ちなみにこの日は電車とタクシー利用のため、交通費で¥9,000が飛んで行きました。


練習許可証のための身体検査申し込み 2000/10/10
 とりあえず航空身体検査を実施している病院に電話ですが、どうせなら毎年の健康診断(僕は年に1回人間ドックを受けているんです)と合わせられたらと思い、所属健保の契約医療機関を探してみました。その結果、M総合病院の一件だけあったのですが、実施しているのは「第一種航空身体検査」のみとのこと。別に第一種なんか取る必要もないし、取れるわけもないから、ここはパス。
 結局、東京国際空港診療所(羽田空港ですね)に28日の土曜日午前中に予約を取って大人しく待つことにしました。ここの診療所の電話に出た方は、航空身体検査も慣れている様子(まあ、そうでしょうねえ)なので、安心して受診できそうです。

許可書申請のため身体検査の受診 2000/10/19
 本日,福岡に出張があり、ちょうど羽田で搭乗待ち時間があったついでで、身体検査を受診してきました。所要時間は20分くらいかな?今月はじめに人間ドックを会社で受診しているので,胸部レントゲンは省略とのこと。
 検査内容は近点視力や平衡機能検査、視野の検査といったところが一般の健康診断やドックでは行われないところですが、その近点視力が合格すれすれでした。(おいおい、これって老眼ってこと?参ったなあ〜。)
 とりあえず血液検査の結果待ちで診断書は1週間くらい先に郵送されるみたいです。住民票や写真を用意して待っていましょう。



Flight Trainning

初飛行(練習開始) 2000/11/18
 操縦練習許可書もやっと届き、本日初めての操縦練習に行って来ました。正式に「
日本モーターグライダークラブ」に入会し、First Flightを体験しました。
 もちろん離陸前の地上滑走から離着陸まで同乗の教官が行ってくれるので、自分で操縦するのは上空に行ってからですが、やはり操縦席からの眺めはまったく「すばらしい!」の一言です。「飛行機の特等席は操縦席」ってどこかのパイロットが話してたけど、その通りまったく同感です。
 気がついた範囲で、PCのFlight Simulatorと実機との相違をいくつか挙げてみます。まず、操縦桿の操作量が思ったほど大きくないこと。ほんとにわずかの動作で操作を行えます。また、これは予想できたことだけど、ラダーの使い方。思っている以上に大きく操作する感覚でした。
 本日のインストラクターからの一言アドバイス:
 旋回開始の際も、気持ちとして足(ラダー操作)から始める位に足の操作を意識して!
 30分のFlightでしたが、エンジンを止めたソアリングも含め、とても貴重な体験でした。空の世界に病みつきになってしまいました。

手助けしてもらって離着陸も 2000/11/25
 2回目のFlight、行って来ました。今日はちょっと混んでいて40分の練習時間でした。科目は、水平直線と水平旋回。旋回中の高度は上がったり下がったりではちゃめちゃ状態。また、もちろんいっぱい手助けしてもらったけど、離着陸もちょっと経験しました。はじめてシミュレータをやった時と同じくらい”めろめろ”のとっちらかりかたでした。単独飛行だったら完全に死んでるね。ってところで、
 今日のアドバイス(by 山本教官):
 計器に追わずに、外の地面と空の間(いわゆる地平線ですね)を見てその割合で判断する。
 また、自分で感じたことをひとつ。”随所でHeadingをチェックする。”
上空に行くと、地上で考えたらなんてことないことも、緊張からか頭が回らない。リラックスをこころがけて頑張りましょう。次回が楽しみです。

アプローチを練習 2000/12/09
はい、本日で3回目です。ちょうど60分の練習時間でした。前回に続いて水平旋回ですが、前回同様に左旋回が”めためた”でした。旋回開始後に高度が下がり、リカバリーしようとして操縦桿を引くと何故かバンク角まで変化し、はまっていくというパターンでした。「地面と空の割合」感覚が身に付いていない証拠でしょうね。
 今回は直線上昇、下降を追加しました。レベルオフの操作を開始するタイミングは今回の上昇率で、目標高度の10〜20フィート前がちょうどいいみたいです。水平飛行の感覚はだいぶ慣れてきたみたいです。
 アプローチでのスポイラーの操作に注意、というか、左手のスポイラーの操作につられて右手の操縦桿を動かしてしまうケースが結構ありました。スポイラーオープンとともにノーズが急に下がることが何回か有り、教官に注意されました。操縦桿は意識してバックプレッシャーをかける必要がありそうです。
 今日のアドバイス(by 直美教官):
 左旋回でノーズが下がり気味。旋回時の操縦桿操作は一発で決め、ばたばた動かさない。
 それと、大利根飛行場のトラフィックパターンを教わり、実際にover field → right down wind → runway25でfull stop landingで終了でした。

スロ−フライトと失速 2000/12/23
 2000年のフライト納めで大利根に行って来ました。今日の訓練は前回課題の左旋回を集中的にと、新たにスローフライトと失速が加わりました。失速の回復は考えているよりも操縦桿の操作は少なめ。パニックに陥って大袈裟な操作をしないことがポイントみたいです。
 今日のアドバイス(by 直美教官):
 旋回時の操縦桿操作を一発で決める。
 とりあえず、天候にも恵まれ、今年最後のフライトは気持ち良く終わることができました。次回は前回の課題を引き継いでますが、気を入れてがんばりましょう。

TGL開始 2001/05/04
 今年(2001年)になって4回目のフライトでタッチアンドゴー訓練に突入しました。訓練開始はエアワークの仕上げ(?)。左右の水平旋回と失速のおさらいをし、後半にTGLに突入しました。今回は3回のTGLでしたが、ほとんど教官(愛さんでした)にやっていただいたようなものでした。まあ、楽しみにしていたTGLでしたので,やはり感激もひとしおです。R/Wは07、風も090から5ノット程度とTGL初体験の条件的にはGOODでしょう。
また、今回は航空無線もデビュー戦でした。やはり言い慣れない英語混じりでは空の上では自分が何をしゃべっているのかもよく分からなくなる始末。とにかく口癖になる位まで練習あるのみ,ですね。
 本日の一言(二言)アドバイス(by 愛教官):
 ファイナルでの目線は意識してR/W Endより先に置く。
 旋回のバンクの入り方も含めて操作はもっとゆっくりと。

これからファーストソロに向けて長い長いTGL訓練の始まりです。

TGL2回目 2001/05/20
 午前中はほとんど無風状態に近かったんですが、自分がフライトする午後3時位からやや南よりの風が出てきました。TGL初心者にはややきついコンディションかな?と思いましたが、これも訓練とのことで行って来ました。R/Wは25で前回とは異なるアプローチとなりました。今日はピュアグライダーが飛び回っており、トラフィックには十分な注意が必要、特に桑名の接触事故の翌日ってこともあり、周辺にはナーバス。でもこれは却ってよかったかもしれない。斜め後方確認の際に、なんとスティックも一緒に動かしてしまう癖を発見、速いとこ治しておこう。ってことで
 本日の一言アドバイス(by 高田教官):
アプローチは自分の真ん前にR/Wセンターを
ついでにコンパスを使ったR/W直角の裏技を教わりました。へへ。。。

パワーオフフライト 2001/06/02
 やや横風気味なので、TGLの前にひとまず、A/Wの復習を行いました。内容は通常旋回,Slow Flight , 急旋回,プロペラピッチの変更,エンジンカットを行いました。ソアリングは今回で3回目ですが、自分でプロペラを止めるのは初めてでした。エンジンカットでの静かなフライトもいいもので、モグラもグライダーだと実感しました。注意点として、再始動出来なかったときのことを考慮して、操作を行うことが重要。急旋回は、やはり左旋回でノーズが下がり気味。プロペラのジャイロ効果も考慮してスティックへのバックプレッシャ意識が重要。

 本日の一言アドバイス(by 直美教官):
とにかく軸線に合わせることに集中
回数重ねて覚え込むしかないみたい。。。

ひたすら、ひたすらTGL 2002/05/06
 な、なんとこの訓練記をUPするのも、約1年ぶりに近いみたいです。この間にも訓練は月1〜2回のペースで続けていまして、飛行時間は26時間46分、着陸回数は127回にも及んでいます。が、最近、一向にうまくならない!軸線とパス角を合わせるのも一苦労だけど、最近コツは見えてきたみたいです。今一番の問題はフレアのタイミングと操作量の関連です。視線が遠くに行っていないのか、操作のタイミングが遅いのか、フレアで浮かび上がることがしばしば。。。その度に隣の教官があきれながら(?)スティックを奪って助けてくれます。一人だったら一体何回死んで何回機体を全損しているのだろうか?今回の連休は十分に休暇を取って来週から訓練に復帰するつもりです。(さすがに最近は訓練ノート的な飛行日誌もつけはじめました。)